季節要因で新規コロナ感染ピークアウトへーコロナ対策抜本転換なければ冬場に大惨事の第6波(解散・総選挙補強)
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新型コロナは風邪コロナと同じように、初夏と夏場に小流行し、冬場に大流行するという季節的要因が感染変動の主因になる。今年2021年の夏場はデルタ株を政府=菅義偉政権が「水際」で食い止めることが出来なかったため、季節的要因に加えてデルタ株が猛威を振るっているがどうやら、季節要因からは新規感染者数はピークを超しつつあるようだ。しかし、政府=菅政権は、「自宅放置」を中心に、「徹底検査と隔離・保護・治療」という感染症対策の基本原則とは真逆の「似非対応」を行っているから、どのレベルまで新規感染者数が減少するか予断を許さない。また、現状のままでは、冬場に新型コロナ新規感染が大流行する第6波が訪れ、日本は悲惨な状況になる。

第5波ピークアウトも新規感染者数は「自宅遺棄」で十分減少しないまま冬場に第6波大突入

複数のメディアによると、東京都の8月25日水曜日の新規感染者数は前週水曜日比1158人減少の4228人だった。また、これまで述べさせていただいたが、新規感染者数の7日移動平均での前週比は8月8日日曜日頃から傾向的に前週比減少に転じており、25日は95.2%と100%を割り込んだ。ただし、7日移動平均での新規感染者数は4471.4人となお多く、死者は11人が確認され、入院している重症患者は277人と今月17日火曜日の276人を8日ぶりに上回り、過去最多を更新した。

全国ではタイムラグがあり、午後23時59分18時30分の時点で新規感染者数2万4321人、死亡者数4445人、重症者数1964人になっている。

東京都のコロナ感染者数の推移
東京都のコロナ感染者数の推移

 

本サイトでもしばしば紹介させて頂いてるように、季節要因から夏場の第5波はピークアウトしてきたようだ。ただし、政府=菅政権が感染症の根本原則とは真逆の「自宅療養=自宅遺棄=自宅感染」という似非政策を行っているため、新規感染者が従来のように少なくなるかは予断を許さない。死者数や自宅遺棄者も含めた重症者数の減少もあまり期待できない。「医療崩壊」はなお続いている。

東京都モニタリング会議
東京都モニタリング会議

 

厚生労働省の医系技官のコロナ対策の根本的矛盾を鋭く指摘しているNPO法人・医療ガバナンス研究所の上昌広理事長兼臨床医師は、日刊ゲンダイ8月26日号で次のように語っている(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/293817)。

医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏はこう言う。

「都内の感染状況はピークアウトに向かっているとみています。外来の現場からは先週あたりから発熱を訴える患者が減ってきた、と聞いている。昨夏の感染拡大のピークは8月10日でした。今夏は感染力の強いデルタ株の影響で後ろ倒しになっていますが、8月末、あるいは9月頭にはピークに達するでしょう」(中略)

「第5波が東京から地方へ伝播したと考えれば、ピークアウトへ向かうプロセスにもタイムラグが生じるでしょう。もっとも、新規感染者数の増減で一喜一憂するのは危険です。感染者が発生し続ける限り、一定数は中等症や重症になる。新型コロナは夏と冬に感染拡大期を迎えるため、冬場にはさらに大きな感染爆発が懸念されます。重症化を防ぐためのワクチン普及はもちろんですが、中等症以上を隔離する病床の確保が急務です。欧米はそうした医療資源が充実しているから、行動制限の緩和に舵を切れた。医療提供体制を拡充しなければ、日本はいつまでたっても自粛議論から逃れられません」(以下、略)

要するに、厚労省の医系技官と官邸(政府=菅政権)が「徹底検査と隔離・保護・治療」、「医療体制の抜本的強化」という感染症対策の根本と科学に基づく世界の常識(コロナ感染の主流は飛沫感染ではなく、より微小で数十メートル浮遊するエアロゾルによる感染=空気感染だということ。参考:https://toyokeizai.net/articles/-/448957)を学び、取り入れるということをしないため、家庭(住居)が感染源になり職場・学校で相互に感染し合うという悪循環が起き続けるという現象が収まらず、新規感染者が下げきらないまま。冬場の大流行期(第6波)を迎えてしまう。

なお、下図は上記の上理事長兼臨床医師の論考で示されたもので、コロナの波は基本的に季節的要因で決まり、変異株要因が振幅を大きくする。しかし、コロナの波は人流とは関係がないという図だ(医療ガバナンス研究所の研究員が作成したもの)。

コロナの波は季節性要因と変異株要因で決まり人流とは無関係
コロナの波は季節性要因と変異株要因で決まり人流とは無関係

また、厚労省は昨日8月24日、ペルーなど南米で猛威を振るっている「ラムダ株」感染者(無症状感染者)二人が8月12日の空港検疫(精度の低い抗原検査)で判明したという(https://www.jiji.com/jc/article?k=2021082401151&g=soc)。厚労省や国立感染研は曖昧にしているが、ラムダ株は感染力と致死率、ワクチン耐性力がデルタ株以上に強いとの指摘もある。感染研の発表は遅すぎるではないか。ラムダ株の分析もまともに行っているとは思えない。

 

朝日新聞出身のフリー・ジャーナリストの佐藤章氏の取材によると、東京大学医科学研究所では「人類に対する史上最悪のコロナ変異株」と分析しているようだ。抗原検査でラムダ株への無症状感染者が3人見つかったということは、既に市中感染が始まっていると見ておく必要がある。冬場の大流行の時代にラムダ株が主流になれば、日本の経済社会が大打撃を被る可能性が極めて濃厚だ。

 

佐藤章氏による
佐藤章氏による

 

佐藤氏から改めて「9月6日衆院解散」についての説明があった。総選挙で当落線上以下にある自民党の現職衆院議員の造反、つまり「菅首相離れ」が非常に強まる可能性がある。このため2019年夏の参院選広島選挙区での大型買収事件に関連して、二階俊博幹事長から安倍晋三善首相の「公金横領疑惑」を追及され、菅首相支持を余儀なくされている安倍晋三前首相や麻生太郎副総理兼財務相らによる自民党総裁選の抑えが効かなくなり、本命の河野太郎行革担当相兼ワクチン担当相が総裁選に出馬する可能性がある。

その場合は、菅首相が総裁に再選される可能性は極めて不確かなものになる。恐らく、賽銭されないだろう。このため、菅首相が機先を制して、9月6日に衆院解散に踏み切ることは揺るがないとの説明があった(https://www.youtube.com/watch?v=l664ilCxOMc、参考:菅首相は記者団に対して24日夕、「宣言や重点措置中の衆院解散はできる」と語っている。https://digital.asahi.com/articles/ASP8S6JQ0P8SUTFK01L.html?iref=pc_ss_date_article)。

ただし、佐藤氏から衆院解散後の日程について訂正があった。総選挙は解散後40日以内に実施しなければならない。「13日公示」だと選挙管理委員会による総選挙のための準備が実務的に間に合わない可能性がある。公職選挙法第31条4項で「総選挙の期日は、少なくとも十二日前に公示しなければならない」と定められている(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC1000000100_20201212_502AC0000000045&keyword=%E5%85%AC%E8%81%B7%E9%81%B8%E6%8C%99%E6%B3%95)通り、総選挙の場合の選挙運動期間は最低12日間だ。このため公示日が若干後ずれし、総選挙(投開票)は9月末の日曜日(26日)から10月初め(10月3日または10日の日曜日)になるとの訂正があった(https://www.youtube.com/watch?v=l664ilCxOMc)。

なお、本日8月26日木曜日に自民党総裁選が告示されても、菅首相が解散・総選挙に踏み切れば雲散霧消する。むしろ、「自民党総裁選」を告示することによって、自民党内反菅派を油断させるとともに、真正野党側を「撹乱」させることもできるだろう。【追記:8月26日午前07時55分】また、二階俊博幹事長は幹事長を続投するつもりでいる(https://news.yahoo.co.jp/articles/4b7122465fbf6e58cb9f37af3349831cc75e990f)。要するに、安倍前首相、麻生太郎財務相、甘利明党税制調査会長の「3A」に対して党内権力闘争でかなり優位に立っているということだ。

VTRが終わると、番組司会の恵俊彰は「ドスがきいてましたね~、久しぶりにまた」と声をあげた。

(自公連立政権の広報マンとして知られている「スシロー」こと)政治ジャーナリスト田崎史郎氏(時事通信社元解説委員長)は「横浜市長選で惨敗して非常に党内が浮き足立っている。その中で二階さんが先手を打ったということです。主導権とるその先では幹事長を続けるということです」との見方を示した。25日のTBS「ひるおび!」では、自民党総裁選に向けた動きを特集し、24日に会見した二階俊博幹事長が、菅義偉首相の再選支持かとの質問に「愚問だ!」と返したことを伝えた。(中略)

 

佐藤氏は、菅首相が東京パラリンピック終了後の9月6日衆院解散、12日緊急事態宣言解除、13日総選挙公示、10月10日10月上旬までの総選挙を決意している旨、伝えているが、第5波のピークアウトは同首相のシナリオにも有利に働くだろう。しかし、古ぼけた「緊急事態宣言」などによって第5波がピークアウトするわけではない。あくまでも季節的要因だ。真正野党側がこの季節要因を明確に認識しているとは思えない。

早急に、従来の医系技官主導のコロナ対策の抜本転換(①徹底検査と隔離・保護・治療②医療体制の抜本的強化③医系技官制度を解体し、医学・科学のみに基づく日本版疾病予防センター=CDC=の創設すること④十二分の補償を伴う都市封鎖)を訴えるとともに、基本理念、共通政策、連合政権構想で一致し、国民の前に提示することが必要不可欠だ。さもなくば、枝野幸男代表ら執行部が率いる立憲民主党は「寝首をかかれる」ことになり、「菅大悪政・暴政」が続くことになる。その公算は大きい。


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