内政では関税政策を使った産業再生が要(かなめ)だがDEIを止め「資本主義の精神」に復帰する

トランプ政権の内政政策の要(かなめ)は。関税政策を使った国内外の多国籍企業の米国内への復帰による人工知能(AI)など高度な産業も含む産業の復活だが、それにはマックス・ウェーバーが提示した「資本主義の精神」というエートス(倫理的思潮)を乗り越える「創造のエートス」(小室直樹による)が不可欠だ。資本主義の精神を乗り越える創造のエートスを醸成するためには、キリスト教のリバイバルが欠かせない。それには、政府や企業の創造的活動にマイナスになっているDEI(Diversity=多様性、Equity=公平性、Inclusion=包括性)を「重視する」政策を廃止することが不可欠だ。ジェトロは、「トランプ米大統領、連邦政府の多様性、公平性、包摂性(DEI)を終了する大統領令に署名」と題して、次のように報じている(https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/01/35e2c07c6fef9cad.html)。

米国のドナルド・トランプ大統領は1月20日、連邦政府の多様性、公平性、包摂性(DEI)を終了する大統領令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに署名した。同令では、行政管理予算局(OMB)長官に、連邦政府で違法なDEIや「多様性、公平性、包摂性、アクセシビリティー(DEIA)」を強制する政策、プログラム、優遇措置、活動など、全ての差別的プログラムを廃止するよう指示した。

同令はDEIについて、ジョー・バイデン前大統領(民主党)が就任初日に発布した大統領布告13985号「連邦政府を通じた人種的公平の推進と恵まれない地域社会への支援」を発端として、連邦政府の全ての側面に強要された違法かつ不道徳な差別プログラムだとし、連邦職員の業績評価を含む連邦雇用慣行は個人の積極性や、技能、業績、勤勉度によって行われるべきで、DEIまたはDEIAに係る要因、目標、方針、義務または要件を考慮してはならないとした。

また、トランプ氏が1月21日に発表した「違法な差別を終了し、実力に基づく機会の復活外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」では、「公民権法」が「人種、肌の色、宗教、性別、または国籍に基づく差別から個々の米国人を保護」しており、「この公民権保護は全ての米国人の機会を平等に支える規範として機能している」とし、「大統領としてこの法律が確実に施行されるようにする確固たる義務がある」と述べた。公民権法は1964年に成立し、連邦政府との契約の有無にかかわらず、従業員15人以上の企業に対して雇用差別を禁止し、職場で女性や民族的マイノリティーなども雇用しているかを確認するために、企業から報告書の提出などを義務付けるものとなっている

トランプ大統領はまた27日に、米軍内でDEIプログラムを撤廃し、効果の疑わしい新型コロナ用ワクチン接種を拒否して除隊となった数千人の軍人を復帰させる大統領令に署名した(https://jp.reuters.com/world/us/SNNZ327ADZM3PL7WQM3REUTXEA-2025-01-28/)。

資本主義市場経済に基づく社会においては、企業や政府が優れた商品(財)やサービスを顧客や国民に提供することが最優先されなければならない。DEIは悪平等を助長し、この目的を毀損する。DEIの弊害については、Youtubeのイエアンドライフ・チャンネルに詳しい(https://www.youtube.com/watch?v=d0QO2bahzQE)。

大問題になった民主党の牙城であるカリフォルニア州はロサンゼルスの山火事も、DEIを優先するあまり、ロサンゼルスの山火事が鎮火するより延焼したのは、①消防局の幹部は全員女性かトランスジェンダー(生物学的には男性なのに自身では女性と認識している人、またはその逆)②DEI採用に予算を注ぎ込んで、消防車や消火栓への投資は行わなかった③貯水池に水を貯めておく貯水池管理がいい加減で、山火事を鎮火しようにも貯水池に水がなかったーことなどが原因であると言われている。

トランプ2.0では今後、内政面で数々の重要な改革が行われるだろうが、根本的には小室直樹が指摘していた「創造のエートス」を醸成するキリスト教のリバイバル運動(宗教改革運動)が不可欠になるだろう。多極化した諸文明の調和と統一もこの宗教改革運動によってもたらされる。もう少し具体的に言えば、LGBTQを克服できなかった政党アタナシウス派キリスト教を高次元的に発展させて、アリウス派キリスト教を吸収することである。

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